自筆証書遺言の財産目録の作り方:詳しく具体的なガイド
自筆証書遺言は、遺言者が全文を自筆で作成する遺言書の形式ですが、2020年の民法改正により、財産目録は自筆でなくても作成できるようになりました。ただし、財産目録にも法的な要件があり、正しく作成しなければ遺言書全体が無効になる可能性があります。この記事では、自筆証書遺言の財産目録の作り方を詳しく解説します。
1. 財産目録の役割とは?
財産目録は、遺言者が所有する財産をリスト化したものです。遺言書の中で、遺産の分配方法を明確にするために必要です。
財産目録の内容
不動産
預貯金
有価証券(株式、債券など)
現金
動産(自動車、貴金属、宝飾品など)
その他の財産(特許権、著作権など)
2. 財産目録の作成方法
1. 不動産
不動産については、以下の情報を記載します。
所在地
登記簿の表題部に記載された地番、家屋番号
面積
例:
東京都渋谷区〇〇町1丁目1番1号
地番:〇〇、面積:100㎡
2. 預貯金
預貯金については、以下の情報を記載します。
金融機関名
支店名
口座番号
口座の種類(普通預金、定期預金など)
例:
〇〇銀行〇〇支店
普通預金口座番号:12345678
3. 有価証券
有価証券については、以下の情報を記載します。
銘柄名
証券番号
保有数
例:
〇〇株式会社株式
証券番号:〇〇〇、保有数:100株
4. 現金
現金については、遺言書に明記する必要があります。金額と保管場所を記載します。
例:
現金:100万円
保管場所:自宅金庫内
5. 動産
動産については、具体的に記載します。
車両の場合:車種、登録番号
貴金属や宝飾品の場合:種類、特徴、保管場所
例:
トヨタプリウス
登録番号:〇〇〇
6. その他の財産
その他の財産についても、具体的に記載します。例えば、特許権や著作権などの場合は、権利の内容や登録番号を記載します。
例:
特許権
登録番号:〇〇〇
3. 財産目録の注意点
1. 正確性が重要
財産目録に記載する内容は、正確である必要があります。不動産の地番や口座番号などを間違えると、遺産分割時にトラブルになる可能性があります。
2. 添付書類の保管
不動産の登記簿謄本、預貯金の通帳のコピーなど、財産目録に記載した内容を裏付ける書類を保管しておくと、相続人が遺産を確認する際に役立ちます。
3. 日付と署名・押印
財産目録には、作成日を記載し、遺言者の署名と押印を忘れずに行いましょう。これにより、遺言書全体の信憑性が高まります。
4. 財産目録の作成例
以下は、財産目録の例です。
—
財産目録
1. 不動産
東京都渋谷区〇〇町1丁目1番1号
地番:〇〇、面積:100㎡
2. 預貯金
〇〇銀行〇〇支店
普通預金口座番号:12345678
3. 有価証券
〇〇株式会社株式
証券番号:〇〇〇、保有数:100株
4. 現金
現金:100万円
保管場所:自宅金庫内
5. 動産
トヨタプリウス
登録番号:〇〇〇
6. その他の財産
特許権
登録番号:〇〇〇
作成日:令和〇年〇月〇日
署名:〇〇〇〇 押印
—
5. まとめ
財産目録は、遺言者が所有する財産を明確にリスト化する重要な書類です。自筆証書遺言では、財産目録を自筆でなくても作成できるため、パソコンやプリンターを活用して作成することができます。ただし、遺言書本体には日付、署名、押印を忘れずに行いましょう。正確で詳細な財産目録を作成することで、相続時のトラブルを回避し、円滑な遺産分割を実現することができます。専門家のアドバイスを受けながら作成することで、より安心して遺言書を準備することができます。
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