遺産分割協議書が作成されたにもかかわらず、相続人のうちの誰かが協議書を紛失してしまうと、相続手続きが進まなくなる可能性があります。協議書がないと、不動産の名義変更や銀行口座の解約などの手続きができなくなり、相続人間の信頼関係にも影響を及ぼすことがあります。
解決策
① 遺産分割協議書の再作成
紛失した場合は、相続人全員の協力を得て、再度遺産分割協議書を作成します。再作成する際には、内容を再確認し、相続人全員が再度署名・押印を行う必要があります。
手続き内容
相続人全員で協議書を再作成し、全員が署名・押印を行います。
必要な書類
新たに作成された遺産分割協議書
相続人全員の署名・押印
書類の入手先
相続人自身が作成するか、弁護士事務所に依頼
② 公証人役場での公正証書化
再作成した協議書を公証人役場で公正証書として作成することで、法的効力を強化し、紛失のリスクを低減します。公正証書化された文書は、公証人役場に保管されるため、再度紛失する心配がありません。
手続き内容
協議書を公証人役場で公正証書化します。
必要な書類
再作成した遺産分割協議書
相続人の本人確認書類
書類の入手先
公証人役場
③ 協議書のコピーの保管
協議書のオリジナルを紛失しないよう、相続人全員がコピーを保管し、信頼できる場所に保管します。また、デジタルコピーを作成し、クラウドストレージなどの安全な場所に保管することも有効です。
手続き内容
協議書のコピーを作成し、全員が安全な場所に保管します。
必要な書類
協議書のコピー
書類の入手先
相続人自身が作成
予防策
① 公正証書化の徹底
初回の協議書作成時から公証人役場で公正証書として作成することで、紛失のリスクを減らし、法的効力を強化します。公正証書化された文書は公証人役場で保管され、必要な際には容易に入手できます。
② 複数のコピーの作成と分散保管
遺産分割協議書の複数のコピーを作成し、相続人それぞれが保管することで、オリジナルを紛失した場合にも対応できます。コピーは、信頼できる家族や弁護士にも保管を依頼すると安心です。
③ デジタル化の推進
紙の協議書とともに、デジタルコピーを作成し、クラウドストレージや暗号化されたUSBメモリなどに保管することで、物理的な紛失リスクを軽減します。デジタル化する際には、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
まとめ
遺産分割協議書の紛失は相続手続きを遅らせ、相続人間に不安を生じさせる可能性があります。協議書の再作成や公正証書化、複数のコピーの保管、デジタル化を推進することで、紛失リスクを減らし、スムーズな相続手続きが行えるようにすることが重要です。これらの対策を講じることで、安心して相続手続きを進めることができます。
コメント